
私たちの生活を取り巻くお金の環境は、この数年で大きく変わりました。
スーパーやコンビニでの買い物、電気代やガソリン代など、日常的に支払う金額は確実に上がっています。物価の上昇は、一時的な現象ではなく、長期的な流れとして続く可能性が高いと考えられています。
一方で、給与の伸びは物価ほど強くありません。
企業収益が改善しても、それがそのまま大幅な賃上げにつながるとは限らないのが現実です。結果として、実質的な生活のゆとりは広がりにくい状況が続いています。
貯金だけでは守りきれない時代
これまで日本では「とりあえず貯金」が基本でした。
銀行に預けておけば安全であり、元本が減ることはほぼありません。しかし、問題は“金額”ではなく“価値”です。
たとえば、物価が毎年2%ずつ上がると仮定します。
100万円の貯金は10年後も100万円のままですが、買える物の量は実質的に減ってしまいます。これは目に見えにくいですが、確実に起きる現象です。
金利がほとんどつかない状況では、貯金は守りの手段にはなっても、増やす手段にはなりません。
つまり、貯金だけに頼るのはリスクがないようで、実は“別のリスク”を抱えていると言えます。
年金制度への不安
将来の年金についても、多くの人が不安を感じています。
公的な将来見通しでは、人口の高齢化が進む中で、現役世代の負担は重くなる可能性が示されています。
ここで重要なのは「年金がなくなるかどうか」ではありません。
将来受け取れる金額が、今と同じ水準とは限らないという点です。
生活費のすべてを年金に頼るのではなく、自分自身でも準備をしておく。
この考え方が、これからの時代には必要になっています。
住宅費・教育費の増加
さらに、人生の大きな支出として住宅費と教育費があります。
住宅価格は地域によって差がありますが、全体としては上昇傾向です。資材価格や人件費の上昇が背景にあります。
教育費も同様です。
進学先や進路によって差はありますが、大学まで含めると多くの家庭で大きな負担になります。
これらの支出は、避けることが難しいお金です。
だからこそ、早い段階から準備することが意味を持ちます。
その中でのNISAの役割
こうした環境の中で用意されている制度がNISAです。
NISAは、一定の条件のもとで、投資によって得た利益に税金がかからない制度です。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。
しかしNISA口座で運用すれば、その利益がそのまま手元に残ります。
これは単純ですが、大きな違いです。
同じ利回りでも、税金がかからない分だけ、長期では差が広がります。
新しいNISAの特徴
2024年から始まった新しいNISAでは、制度がより使いやすくなりました。
非課税で投資できる枠が拡大し、非課税期間も無期限になりました。
これにより、「期限までに売らなければならない」という制限がなくなりました。
長期投資との相性が非常に良い制度へと変わっています。
投資には価格変動があります。
しかし、長い時間をかけて積み立てることで、値動きの影響をならすことができます。NISAはその考え方を後押しする設計になっています。
無理のない範囲で始められる
NISAは、まとまった資金がなくても始められます。
毎月少額から積み立てることが可能です。
重要なのは、生活費を削ってまで無理をすることではありません。
余剰資金の範囲で、コツコツと続けることが基本です。
投資は短期間で大きく増やすものではなく、時間を味方につけるものです。
焦る必要はありません。
「知っているかどうか」の差
制度そのものは誰にでも開かれています。
しかし、活用するかどうかで将来の資産には差が生まれます。
大きな差は、最初の一歩の早さから生まれます。
早く始めれば、その分だけ時間を使えます。時間は誰にとっても平等ですが、活用できるかどうかは行動次第です。
まとめ
物価の上昇、給与の伸び悩み、年金への不安、住宅費や教育費の増加。
これらは一つ一つ見ると小さな変化かもしれませんが、長期では大きな影響を持ちます。
その中でNISAは、お金を守りながら増やすための制度として整えられています。
万能ではありませんし、価格が必ず上がる保証もありません。
それでも、貯金だけに頼るよりも、選択肢を持つことに意味があります。
制度を知り、自分の状況に合わせて活用する。
将来の安心は、一度の大きな決断ではなく、日々の小さな積み重ねから生まれます。
今すぐ完璧である必要はありませんが、仕組みを理解し、できるところから準備を始めることが、これからの時代の現実的な選択と言えるでしょう。