投資信託

投資信託のデメリットとは何か|始める前に理解しておくべきリスクとコスト

投資信託は、少額から分散投資ができる便利な仕組みです。
しかし、便利であるということと、万能であるということは別です。

仕組みを理解せずに「なんとなく良さそう」で持つと、後から「思っていたのと違う」と感じる場面が出てきます。
ここでは、投資信託の代表的なデメリットを、構造から整理していきます。


元本保証ではないという前提

投資信託は、銀行預金とは違います。
銀行預金は元本が守られる仕組みですが、投資信託は価格が日々変動します。

なぜ変動するのか。
それは、投資信託の中身が株式や債券などの「値動きする資産」だからです。

株価が下がれば、投資信託の価格も下がります。
債券価格が下がれば、同じく影響を受けます。

つまり、投資信託は「値動きを受け入れる商品」です。
下落局面では評価額が減り、含み損が出る可能性があります。

長期で見れば回復する可能性はありますが、それは保証ではありません。
価格が下がるという事実を受け入れられない人にとっては、精神的な負担になります。


手数料という見えにくいコスト

投資信託には、いくつかの手数料があります。
代表的なのは「購入時手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」です。

最近は購入時手数料が無料の商品も増えましたが、信託報酬は基本的に毎日かかっています。
これは運用会社や販売会社への報酬です。

たとえば、年率0.2%と聞くと小さく感じます。
しかし、10年、20年と保有すると、その差は無視できません。

仮に100万円を年利5%で20年運用した場合と、そこから毎年0.5%差し引かれる場合では、最終的な金額に大きな差が出ます。
手数料は派手ではありませんが、じわじわと効いてきます。

投資信託は「ほったらかしで楽」というイメージがありますが、その裏側でコストが継続的に発生していることは理解しておく必要があります。


短期売買には向いていない

投資信託は、基本的に長期投資を前提に設計されています。
1日単位で売買する商品ではありません。

価格は1日1回算出されるため、リアルタイムでの売買はできません。
株式のように瞬時に売買することはできないのです。

また、短期で売買を繰り返すと、手数料や税金の影響を受けやすくなります。
短期で大きな利益を狙う商品設計ではありません。

値動きは比較的なだらかで、大きく跳ねることは少ないです。
そのため、「短期間で資産を倍にしたい」という目的には向いていません。

投資信託は、時間を味方につける商品です。
スピード勝負とは相性が良くありません。


自分で中身をコントロールできない

投資信託は、運用会社が銘柄を選びます。
購入者は、その判断に委ねる形になります。

自分で個別株を選ぶ場合は、銘柄を入れ替えることも自由です。
しかし投資信託では、その判断権はありません。

「この企業はもう成長しない」と思っても、投資信託が保有していれば間接的に持ち続けることになります。
中身を細かく調整することはできません。

これはメリットでもありますが、主体的に運用したい人にとっては物足りなさになります。
自分で分析して動かしたい人にとっては、自由度が低いと感じるかもしれません。


商品数が多すぎるという問題

現在、日本には数千本の投資信託があります。
似たような名前の商品も多く、違いが分かりにくい状況です。

販売会社によっては、手数料の高い商品が勧められる場合もあります。
初心者ほど、選択肢の多さに混乱しやすいです。

「なんとなく有名だから」「窓口で勧められたから」という理由で選ぶと、コストの高い商品を持つ可能性もあります。

投資信託は簡単に始められますが、選ぶ段階での判断力が必要です。
ここを他人任せにすると、長期的な成果に影響が出ます。


市場全体が下がれば一緒に下がる

分散投資はリスクを抑える効果があります。
しかし、市場全体が大きく下落した場合は、分散していても下がります。

たとえば世界的な金融危機のような局面では、多くの株式が同時に下落します。
その場合、投資信託も例外ではありません。

分散は「リスクをゼロにする」仕組みではなく、「特定の銘柄に集中するリスクを減らす」仕組みです。
ここを誤解すると、期待と現実に差が生まれます。


インフレや為替の影響を受ける

海外資産に投資する投資信託は、為替の影響を受けます。
円高になれば、評価額が下がることがあります。

また、インフレが進むと実質的な価値が目減りすることもあります。
数字が増えていても、物価が大きく上がっていれば実質的な購買力は変わらない可能性があります。

投資信託は「持っていれば安心」という商品ではありません。
経済環境の影響を受け続けます。


感情との戦いがある

最大のデメリットは、価格変動そのものよりも「感情の揺れ」です。
評価額が減ると、不安になります。

下落局面で売却してしまえば、損失が確定します。
しかし、多くの人は下がると不安になり、上がると安心します。

この感情の波に流されると、長期投資の前提が崩れます。
投資信託はシンプルですが、持ち続けることは簡単ではありません。


デメリットを理解することが前提条件

投資信託は、資産形成の土台として使われることが多い商品です。
しかし、元本保証ではなく、コストがかかり、短期向きではありません。

自分の目的が「短期で増やすこと」なのか、「時間をかけて育てること」なのか。
ここをはっきりさせる必要があります。

投資信託は、魔法ではありません。
構造を理解し、役割を限定して使うことで、初めて力を発揮します。

デメリットを知ったうえで選ぶ人と、知らずに始める人では、将来の行動が変わります。
資産形成は、商品選びよりも「理解の深さ」で差がつきます。

投資信託は便利です。
しかし、便利さの裏にある前提を理解しておくことが、長期的な安定につながります。

その上で、自分にとって本当に必要な手段かどうかを判断することが重要です。

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