
分散投資とは、
複数の対象にお金を分けて投資する考え方です。
よく
「リスクを減らすために分散する」
と説明されますが、
この説明だけでは本質が抜け落ちています。
分散投資が必要になる理由は、
人は将来を正確に予測できない
という事実にあります。
なぜ人は「集中したくなる」のか
投資を始めると、
多くの人が自然と
一つの対象にお金を集中させたくなります。
・これが一番良さそう
・成長しそうに見える
・詳しく調べたから大丈夫
こうした理由は、
一見すると合理的に見えます。
しかし実際には、
これは
自分の判断に確信を持ちたい心理
によるものです。
人は、
「分からない状態」を
長く保つことが苦手です。
集中投資が危うくなる本当の理由
一つの対象に集中すると、
結果はその対象の将来に
ほぼすべて依存します。
問題は、
その将来が
誰にも分からないことです。
・正しい情報を集めても
・真面目に考えても
・過去の実績があっても
想定外の出来事は起こります。
集中投資が危ういのは、
判断が間違っているからではなく、
当たらなかった場合の逃げ道がない
からです。
分散投資は「当てにいく発想」を捨てた結果
分散投資は、
「どれが当たるか」を
見極めようとする考え方とは真逆です。
将来を一つに絞り込むのではなく、
どれが外れても致命傷にならない状態
を作ることを目的としています。
これは、
投資に対して
弱気だからでも
消極的だからでもありません。
未来を完全に当てることはできない
という前提を、
そのまま受け入れた結果です。
分散には「意味のある分散」と「形だけの分散」がある
分散しているつもりでも、
実際には
同じ理由で同時に影響を受ける場合があります。
・同じ国
・同じ業界
・同じ値動きをする対象
数が増えていても、
結果が同時に動くなら、
分散しているとは言えません。
分散とは、
結果が違う方向に動く可能性を残すこと
です。
ここを意識しないと、
分散しているつもりで
集中と同じ状態になります。
分散しても損をすることはある
分散投資をしていれば、
必ずうまくいくわけではありません。
市場全体が下がれば、
複数の対象が
同時に下がることもあります。
それでも分散が意味を持つのは、
一つの判断ミスで全体が崩れない
からです。
分散は、
成功を保証する方法ではなく、
失敗の形を限定する方法です。
分散は「感情を守るための仕組み」でもある
投資で一番判断を狂わせるのは、
情報不足ではなく感情です。
一つに集中していると、
値動きの影響を
強く受けすぎてしまいます。
分散していれば、
値動きの揺れは緩やかになり、
感情が判断を上書きしにくくなります。
分散投資は、
数字の話であると同時に、
人間の限界を前提にした仕組み
でもあります。
初心者ほど分散が必要になる理由
投資を始めたばかりの人は、
まだ判断の軸が育っていません。
その状態で集中してしまうと、
一度の値動きが
「成功」「失敗」と
過剰に意味づけされてしまいます。
分散は、
判断力が育つまでの間、
投資を続けるための土台
になります。
まとめ
分散投資とは、
将来を当てるための方法ではありません。
人は未来を正確に予測できない、
という事実を前提に、
一つの結果に依存しすぎない状態を作る考え方です。
リスクを消すためではなく、
失敗しても立て直せる余地を残す。
それが、
分散投資の本質です。